平成27年3月発行
 
  第162号
 
水中に溶け込んだ鉄について
 鉄は、地球上に大量に存在しているため生活に広く利用されています。しかし、水に溶けている鉄は、生活に影響を及ぼすことがあります。たとえば、地下水や井戸水は空気に触れる機会が少なく、鉄は水中に溶け込んだままですが、地表にくみ上げた場合等、空気中の酸素が水中に取り込まれることで鉄が析出し、様々な影響を与えます。今回は、この水中に溶けている鉄(溶解性鉄)の性質について、井戸水を用いた分析結果等を交えてご紹介いたします。
 
水に溶け込んだ鉄(溶解性鉄)の影響
(1) 水中に高濃度で存在すると臭み(カナケ)や赤色をつける
(2) 管内に析出して水の流れを妨げる


例: ポンプでくみ上げられた井戸水を溜めるバケツに付着した鉄の様子  
 
先述したように、溶解性鉄は空気(酸素)に触れることで酸化され、赤褐色の不溶解性鉄となり沈殿を生じます。左のグラフは、8mg/Lの鉄を含む井戸水の採水後の時間経過による溶解性鉄の濃度変化を示したものです。
このグラフから、不溶解性鉄への変化が採水直後から始まり、48時間後には溶解性鉄の濃度は半減していることが分かります。また、48時間以降では、不溶解性鉄への変化が緩やかとなり、一定の値に近づいたと考えられます。
さらに、同じ井戸水中の溶解性マンガンについても同様の測定を行ないました。溶解性マンガンは、溶解性鉄と似た性質を示しますが、鉄に比べて酸化されにくい性質から、時間の経過による濃度の減少は見られませんでした。

井戸水を溜めた時、最初は透明だった水が、気が付くと赤褐色の水になっていたことはありませんか・・・

その理由として、上記で説明した溶解性鉄から不溶解性鉄への変化が考えられます。

地下水や井戸水の水質についてお困りの際は、東洋環境分析センターまでお問い合わせください。

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