平成25年10月発行
 
  第143号
 
 

弊社では社内教育の一環として、様々なセミナーでの若手技術者による技術発表を積極的に行っております。今回は、6月26日に開催された「福岡県水道事業実務者セミナー」で行いました技術発表の内容について、概略をご紹介致します。


○発表内容
・大腸菌について
・水源における大腸菌の検出状況
・消毒による効果
・塩素要求量と大腸菌
<大腸菌について>
赤色:大腸菌
(グラム陰性桿菌)
紫色:黄色ブドウ球菌
(グラム陽性球菌)

<水源における大腸菌の検出状況>
<塩素要求量の実験結果>
上のグラフは、原水試料1L(塩素要求量:0.15)を塩素濃度0.05,0.15,0.25r/Lとなるように調整し、経過時間に対する塩素濃度を測定した結果です。30分以内に急激な減少がみられ、その後ゆっくりと減少しています。最終的に塩素要求量に対して塩素濃度を0.1高く設定した試料が、12時間後でも塩素濃度0.1を保持していることが分かります。

井戸水(浅井戸・深井戸)・表流水・ダム水・湧水の計4種類の水源で大腸菌の検出率を調べました。(※過去3年間のデータを集計)
 表流水で検出率50%、ダム水で検出率43%、湧水で5%、井戸水で2%という結果になりました。
<消毒による効果>

微生物種 遊離塩素 クロラミン 二酸化塩素 オゾン
pH6-7 pH8-9 pH8-9 pH6-7
大腸菌(CT値) 0.034-0.05 95-180 0.4-0.75 0.02
遊離塩素、クロラミン、二酸化塩素、オゾンに対する大腸菌のCT値
(CT値が低い程大腸菌に対して効果が高い事を表しています。)
(CT値=濃度×時間)

<編集後記>

大腸菌を初めとする細菌類には塩素消毒が大変有効ですが、原水中に有機物やアンモニア性窒素が含まれる場合、塩素を消費するなどの影響を及ぼします。安全かつ安定した水の供給のためには、日頃から塩素要求量を測定することが重要です。
弊社では塩素要求量の測定を行っておりますので、適切な管理を行う為に是非ご活用ください。
株式会社 東洋環境分析センター 株式会社 東洋環境分析センター