平成23年5月発行
 
  第114号
 

腸管出血性大腸菌について
 最近,生肉が原因と考えられる食中毒により犠牲者が出るという,悲しいニュースが世間を騒がせております。犠牲者や重傷者の体内からは,腸管出血性大腸菌O111やO157が検出されたとの事です。
 さて,この腸管出血性大腸菌とはいったいどういうものなのでしょうか。

<腸管出血性大腸菌とは>
 大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在します。ほとんどのものは無害ですが、このうちいくつかのものは、人に下痢などの消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原大腸菌と呼ばれています。病原大腸菌の中には毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす腸管出血性大腸菌と呼ばれるものがあります。
 腸管出血性大腸菌のうち代表的なものは「腸管出血性大腸菌O157」で、そのほかに「O26」や「O111」などが知られています。
 腸管出血性大腸菌は、牛などの家畜や人の糞便中に時々見つかります。家畜では症状を出さないことが多く、外から見ただけでは、菌を保有する家畜かどうかの判別は困難です。


<腸管出血性大腸菌の毒素>
 腸管出血性大腸菌は、毒力の強いベロ毒素(志賀毒素群毒素)を出し、溶血性尿毒症症候群(HUS)などの合併症を引き起こすのが特徴です。
溶血性尿毒症症候群が発症する機構は十分には解明されていませんが、この毒素が身体の中で様々な障害を起こすことによって全身性の重篤な症状を出すものと考えられています。

厚生労働省ホームページより抜粋


○ 食中毒予防の三原則 ○

 腸管出血性大腸菌などの多くの微生物は、目に見えない事や、食品中で増殖し食中毒を発生しうる状態となっていても味や臭いを変えない為、食中毒を完全に防ぐ事は困難です。
そこで食中毒予防の三原則「つけない」「増やさない」「やっつける」を守ることで食中毒を予防します。



 つけない(清潔)
 増やさない(迅速・冷却)
 やっつける(加熱)


 弊社におきましても、腸管出血性大腸菌をはじめとする食品微生物検査や、厨房・調理器具の拭き取り検査、食品工場・厨房などの衛生管理計画のご提案や衛生に関する研修会まで、食品衛生に関するお手伝いを総合的に行っております。
 どうぞ,弊社各営業所・担当者までお気軽にご相談ください。

株式会社 東洋環境分析センター 株式会社 東洋環境分析センター